弊社活性炭の詳細説明とデータのページです。

No. データ資料名
01 竹を原料とした調湿活性炭 [調湿-METAC]
02 竹を原料とした脱臭用活性炭 [脱臭-METAC]
03 竹を原料とした炊飯用活性炭 [ライス-METAC]
04 竹を原料とした家庭用浄水活性炭 [アクア-METAC]
05 化粧品向け球状活性炭 [スキンケアビーズ]

 

調湿-METAC
 

図1は相対湿度と吸湿量・放湿量の関係を当社の『竹活性炭』と市販の『竹炭』とで比較したグラフです。
 
≪吸湿に関して≫
人が快適に過ごせる相対湿度は40~60%と言われます。
80%以上ではカビや木材腐朽菌が活発になります。また結露の発生も心配です。
居住空間では80%以上の湿度は避けたいところです。
したがって調湿材に働いてほしい湿度領域は60%以上80%以下の間であります。
すなわち60%以下の湿度では吸湿量が少なく、60%以上で吸湿量が多く80%に到達するのを抑えてくれる、そうした働きが調湿材に求められます。
 
竹活性炭は相対湿度60~80%の間で1㎏当たり 320gの水蒸気を吸着する事ができます。竹炭は20g程度です。

図1

≪放湿に関して≫
放湿とは、調湿材が吸湿した水分を吐き出す事です。
放湿の仕方によって『調湿材』と『吸湿材』と区別できます。グラフの○、△白抜きでプロットした線が相対湿度に対する放湿を表しています。
竹活性炭は吸湿した水分を相対湿度が57%以下にならないと放湿しません。『湿度を調整する』調湿材として働いています。
竹活性炭には吸湿曲線と放湿曲線の間に大きなズレがあります。(ヒステリシスと言います)
竹炭にはヒステリシスが無く、吸湿と放湿がほぼ平行です。
周囲の相対湿度が少しでも低くなると、それまで蓄えていた水分を吐き出してしまいます。
『湿度を調整する』調湿材としての働きは無く吸湿材と言えます。
どの範囲の相対湿度で吸放湿のヒステリシスを持つか、によって調湿材としての使用用途は変化します。
 
竹活性炭は人の居住空間における最適の調湿材と言えます。

図2は調湿材として大量に利用されているシリカゲルB型と当社の『竹活性炭』を
比較したグラフです。

≪吸湿に関して≫
吸湿が発生する相対湿度領域が大きく異なることが解ります。
シリカゲルBの吸湿は相対湿度が70%を超えたあたりから急激に始まります。
竹活性炭が吸湿を開始する湿度よりも高湿度領域です。

相対湿度60~80%の間で調湿材1kg当たりの水蒸気吸着量は、
竹活性炭の320g に対しシリカゲルB型は 180gです。

80%以上の相対湿度での吸湿量に関してシリカゲルB型は優れています。
しかし放湿特性がその長所を減少させています。

図2

≪放湿に関して≫
シリカゲルB型は、高湿度領域で小さなヒステリシスを有します。相対湿度80%以上の領域で大量に吸湿するのですが、周囲の湿度が若干
低下すれば放湿が開始されてしまいます。周囲の湿度は下がりきらず結果的に高湿度で保持されることになります。
優秀な吸湿材ではありますが、調湿材として優秀とは言えません。
シリカゲルB型の高湿度領域の吸湿性能を活かすには、吸湿後に別の場所に移し、放湿させてから元の場所に戻す、という方法があります。

図3は吸水材として広く利用されているポリアクリレートと竹活性炭の調湿性能を比較したグラフです。
ポリアクリレートはおむつの吸水材として特に有名です。
液体である『水』を吸収する際には素晴らしい力を発揮しますが、気体である水蒸気(湿気)に対して同じように力を発揮できるでしょうか?

≪吸湿に関して≫
吸湿が発生する相対湿度領域が大きく異なることが解ります。
ポリアクリレートは低湿度から高湿度に至る全域で吸湿します。
高湿度領域にて若干吸湿速度が上がる傾向にあります。

居住空間を快適にする為の60~80%相対湿度間での吸湿量は140 g/kg です。
竹活性炭の320gには遠く及びません。
図3

相対湿度80%以上での吸湿量は優れていますが、シリカゲルB型とよく似た放湿特性がその長所を減少させています。 
 
≪放湿に関して≫
ポリアクリレートは高湿度領域で小さなヒステリシスを有します。シリカゲルB型よりも小さなヒステリシスです。
したがって相対湿度80%以上の領域で大量に吸湿するのですが、周囲の湿度が若干低下すれば放湿が開始されてしまいます。
周囲の湿度は下がりきらず結果的に高湿度で保持されることになります。

液体の水に対する保水力は素晴らしいのですが、気体の水蒸気に関しては全く異なる挙動を示します。
吸水剤・吸湿剤として働けても調湿剤としては働けません。

図4は恒温恒湿器内部の温度を30℃に保ち、相対湿度を50%⇔ 90%とスイングした場合に竹活性炭、竹炭、珪藻土、など各調湿剤が吸湿、放湿する量と速度を観たグラフです。
居住空間の中での湿度変化は一体どの程度起きているのでしょうか?
当社が位置する愛知県の海岸沿いでは気温の変化が大きくなる夕方には相対湿度は40%から90%へ短時間のうちに変化します。
相対湿度は温度によって大きく変化するためです。

≪吸湿に関して≫
図1で予想は出来ますが、やはり竹活性炭の吸湿量は竹炭とは大きく異なります。
鉱物系多孔質として調湿剤に多く用いられている珪藻土にしても竹活性炭の吸湿量の
4分の1程度です。
吸湿速度に関しても飽和吸着量に達するまでの時間は竹炭が最も速く、竹活性炭と珪藻土は同程度です。
吸湿速度として1分間で調湿剤1kgが吸湿する量と考えると、

竹活性炭は8.9g /分・kg であるのに対し、珪藻土は2.8g /分・kg 、竹炭は 2.5g /分・kgとなり、
圧倒的に竹活性炭のリスポンスが良いのが解ります。

図4

 
≪放湿に関して≫
図1でもわかるように竹活性炭は人が過ごし易い40%~60%相対湿度にしようとします。
他の吸着材は周囲の湿度が変わると放湿しますが、竹活性炭は40~60%相対湿度の環境への放湿を控えるようにします。
したがってグラフでも解るように放湿速度が遅くなります。竹炭、珪藻土にはそのような傾向はみられず、放湿速度は速くなっています。

実際に調湿竹活性炭をどのくらい使用すれば効果があるかを計算します。
図5 は温度と飽和水蒸気量の関係を表したグラフです。相対湿度とは、ある温度での飽和水蒸気量に対し何%の水蒸気が存在しているかを示した値です。
例えば、温度25℃の時に相対湿度80%では 22.8 x 0.8 = 18.2 すなわち1立方メートル当たり18.2g の水蒸気が存在している事になります。
暖房器具により25℃ に調整され相対湿度が80%の10畳のリビングルームで一家団らんのひと時を過ごし、暖房を止めて室内温度が10℃ になった場合には、
どんな事が起きるのでしょうか?
10℃ では1立方メートル当たり9.3g の水蒸気しか空気中に存在できません。
先程の計算でもともと18.2g 存在していた水蒸気のうち8.9gは液体の水となって空気から追い出されることになります。結露と言われます。
10畳のリビングの体積が80立方メートルある場合、8.9g x 80 = 712g これだけの水が結露となって壁などに付着する事になります。
調湿竹活性炭は通常の相対湿度の下では自重の30%以上の水蒸気を吸着できます。
したがって、712g ÷ 0.3 = 2,373g (約2.4kg)この量を部屋に置いておけば理論的には結露を防ぐ事ができます。

図5

『理論的には』と言い訳がましく言ったのは、温度下降速度に対応する結露発生速度に吸湿速度が勝った場合という条件付きである為です。

居住空間の自然調湿に於いて最も確実な方法は、調湿竹活性炭を混入させた建材(壁土、石膏ボード、など)で壁や天井を構成する事です。
10畳のリビングの壁面積を45平方メートル、天井を30平方メートル、として1平方メートル当たり500g の調湿竹活性炭を混入すると、
(45 + 30)x 500 x 0.3 = 11,250g (11kg)
なんと11kg の水蒸気を吸着します。
吸着された水蒸気は雰囲気湿度が乾燥状態になると放湿されます。室内を40~60% に維持する努力を壁・天井自体が自然に行う事になります。

脱臭-METAC
 

竹活性炭の脱臭性能について説明する前に『消臭』『脱臭』について考えてみたいと思います。
臭気対策でのこれら二つの方法の違いは、『臭いを消す』、『臭いを脱ぎとる』と大きく異なります。

≪消臭と脱臭の違い≫

表 1 消臭と脱臭の比較表


表1の比較表の如く、消臭と脱臭とは大きく異なります。
消臭とは臭気成分を 『臭わなくする』 方法です。そこには必ず化学物質が介在します。
・プラズマによる方法は強烈なオゾンという酸化剤を製造し、その酸化力により臭気成分を分解する方法です。
発生させたオゾンは居住空間に舞わないでしょうか?
分解した臭気成分は何処に行くのでしょうか?
『酸化』は良くないと騒ぎ抗酸化剤が健康には必要だ、と言いながらエアコン・空気清浄機で強力な酸化剤であるオゾンを発生させている。
矛盾を感じます。
・薬品を空気中に噴霧したり、蒸発させたりして臭気成分と化学反応させ一時的に対処する方法が最近では多用されています。
車の消臭剤としてよく見かける二酸化塩素を利用した商品もあります。
塩素よりも低濃度で毒性を発揮する二酸化塩素を密閉空間である車内で使用して大丈夫でしょうか?

また芳香剤を空気中に噴霧したり、蒸発させたりする方法も近年多用されています。
そうした空間では化学物質過敏症の方は呼吸が困難になると聞き及んでいます。
過敏症でない人には大丈夫なのでしょうか?
これら化学物質は間違いなく呼吸と共に人体に入り込みます。
化学が発達して実に多くの化学物質が合成され社会の発展に貢献してきました。
そのおかげで人類は多くの便利と快適を手にしました。
しかしながら体に入り込む化学物質に関して、人々はあまりにも無頓着ではないでしょうか?

問

消臭は化学物質が介在する即効性のある方法です。
活性炭による脱臭は即効性の点では劣りますが持続性はあります。
即効性という快適さの為に化学物質を体内に吸引するリスクを選びますか?

≪靴・ブーツ・下駄箱用 脱臭竹活性炭≫
足の臭いは 『イソ吉草酸』 という成分によります。
イソ吉草酸は足の汗成分が皮膚の常在菌や靴に付着した雑菌によって分解されて出来ます。
したがって臭気対策としては次の2点を考えなくてはなりません。
 1. 発生したイソ吉草酸を除去する。
 2. 常在菌の働きを抑制する。

イソ吉草酸の吸着除去
図1は脱臭METACのイソ吉草酸に対する吸着性能を測定したグラフです。
30Litの容器に16.5ppm濃度のイソ吉草酸を充填し、脱臭METAC 0.047g を添加して時間経過毎に残留濃度を測定し除去率を割り出しています。
グラフでは30分後でほぼ吸着できているように見えますが、イソ吉草酸の閾値は.000078ppm と非常に低く、臭いを感じられなくなるには100分経過後になります。

さらに脱臭METACの原料は孟宗竹(愛知県産)であり、竹が本来持っているカリウムが濃縮されて残っています。
したがって、脱臭METACはアルカリ性です。
イソ吉草酸はカルボン酸(右図)であり酸性物質ですのでアルカリ性の脱臭METACには親和性を持ちます。
活性炭の細孔への吸着(物理的な力)のみならず化学的な力も働く為に吸着速度が速くなります。

図1


イソ吉草酸

イソ吉草酸の発生抑制
常在菌・雑菌によって汗の成分が分解されてイソ吉草酸が出来ます。
菌は湿度が高いと活発になります。したがって湿度を下げれば菌をおとなしくさせる事ができます。
図2は竹活性炭の調湿能力の高さを表したグラフです。
菌が活発になる80%以上の湿度を回避するように、靴、ブーツ、下駄箱、の湿度を下げます。
結果、菌の活動を抑制します。

脱臭METACは、
【1】細孔への吸着、
【2】アルカリ性による中和、
【3】調湿による静菌、
という3つの作用でイソ吉草酸に対応します。

図2

≪各種臭気物質に対する吸着特性≫
以下に各種臭気物質に対する脱臭METACの吸着特性(除去曲線)を示します。
吸着実験は25℃にて行っています。
各グラフには初期濃度、容積、添加活性炭量、が記してあります。時にこれらの情報が記していない除去曲線を見かけますが、意味の無いデータと思います。
表2 は各臭気物質の検知閾値です。臭気成分によって臭いを感じる最低濃度が大きく異なることが解ります。
悪臭の代名詞のような扱いを受けているアンモニアは1.5ppm という高い濃度で初めて臭いを感じる、「穏やかな」悪臭と言えます。
当社の活性炭は臭素酸などの化学物質を添着させておりません。
原料が本来持っているミネラル成分を利用しております。安心して御利用になれます。

表2 各臭気物質の検知閾値
ライス-METAC
 

炊飯時に竹活性炭(ライスメタック)を用いると『ごはんが美味しく』なります。
竹炭を炊飯時に入れても効果があると言われます。
本当にそうでしょうか?
ライスメタックを使うとなぜ美味しくなるのか、竹炭を入れた場合と全く異なるのはなぜなのか、どの様な仕組なのかを以下に説明します。

≪コメの成分≫
コメの成分は表1 の様に構成されており、さらに炭水化物(デンプン)はアミロースとアミロペクチンから成りたち(表2)、それぞれ
特徴があります(図1)。
デンプンとタンパク質でコメ全体のおよそ80%を占め、食味に大きく影響すると言われています。

表1 図1
 
≪炊飯過程モデル図 ~ライスメタックの効果~≫

【1】炊飯前

コメ内部のアミロースとアミロペクチン、タンパク質は結晶化しており、また水素結合により比較的強固な結合状態となっている。

【2】炊飯前 水に浸漬
 

この過程でコメ内部への水の浸透が開始される。通常炊飯においては水のみの浸透力であるため、やや力不足であり、浸透速度が遅く、均一に浸透しにくい。一方、ライスメタックを使用した場合、ライスメタックに含まれているカリウムが水中に放出され、コメ内部に侵入、【1】の各水素結合を切断していく。
この結果、コメ内部まで水が均一に浸透しやすい状態となる。ここで重要なのがカリウムの放出量の制御であり、ライスメタックにはその機能が備えられている。

【3】炊飯前半

この過程でアミロペクチンが糊状(糊化)となり、ごはんの「粘り」「柔らかさ」となる。コメ内部に残留しているカリウムにより水素結合が大きく切断されたままであるため、糊化しやすい。
さらにアミロース、タンパク質も水素結合から解放されており、炊飯中の水に溶け込んでいく。

【4】炊飯後半

水が少なくなると溶出していたアミロース、タンパク質がコメ表面に析出してくる。
アミロースは糊化しにくいためべとつかず、ごはんの「滑らかさ」を形成し、またタンパク質は旨味成分の一つであり、デンプンとともにごはんの「甘味」を形成する。

【5】炊飯終了

竹活性炭(ライスメタック)で炊くと
・旨み成分でコーティングされた
・粘りのある
・べとつかない
美味しいごはんになります。

≪竹炭との違い≫
炊飯時にデンプン分子間の水素結合を切って水分子を浸透させる、という重要な役目を担っているのはカリウムイオンです。
図2はライスメタックがカリウムを放出する速度を竹炭の場合と比較したグラフです。
カリウムが水に溶解すると水はアルカリ性になります。
したがって水のPHの変化がカリウム放出速度になります。
竹炭を入れた水のPHは変化しません。カリウムは放出されていないという事です。
ライスメタックを入れた水のPHは非常に速く上昇し2時間後にPH9で飽和します。

図2
アクア-METAC
 

1、家庭での浄水用竹活性炭 - アクアメタックの特徴

アクアメタックの特徴 理由
【1】カルキをほとんど取り除きます 活性炭の還元作用のため
【2】カビ臭など嫌な臭いを取り除きます 活性炭の細孔が臭いを吸着するため
【3】嫌な味を取り除きます
【4】ミネラル、特にカリウムを補充します 竹が本来持っているカリウムを放出するため
【5】アルカリ性(ph9.0)になり、まろやかになります カリウムイオンによってアルカリ性になるため

最初に申しあげたいのは、日本の水道水は世界一安全だという事です。
また世界一とは言いませんが美味しい水道水だと思います。
1985年、当時の厚生省に「美味しい水研究会」が存在し、美味しい水とは右の6項目をクリアする水であると発表しました。
6番目の遊離炭酸濃度は自然の地下水や河川水には期待できず人工的な処置となりますが、残り5項目について満足すべく全国の浄水場は日々努力されていると思います。
日本は山から海までの距離(川の全長)が短い為に比較的に新鮮な水を源水として取水できます。それでも地域によっては山からの美味しい伏流水、河川、ダム湖、湖沼、などと源水は様々です。

美味しい水の定義

単純に固形物をろ過するだけで済む源水もあれば、粉末活性炭を散布して源水に含まれるフミン質を吸着除去し、さらにオゾン処理で溶け込んでいる物質を分解し、分解されて小分子になった物質を活性炭で吸着し同時に余剰オゾンを活性炭で還元して酸素にする、という高度浄水処理を必要とする源水もあります。
どんな源水を取水し・どんな方法で浄水しており・供給している水質は
どうであるか等、全ての浄水場についての情報が以下で公開されています。
http://www.jwwa.or.jp/mizu/
このデータを見ますと源水によっては臭気が残り易かったり、塩素を大目に使わざるを得なかったり、と様々である事が解ります。

アクアメタックは美味しい水の定義の ①~⑤ を改善します。
美味しくなって当然なのです。
 
『美味しい水』の条件項目に沿ってデータを用いて説明します。

2、アクアメタックで水が美味しくなる理由

≪1.カルキ濃度が0.4ppm 以下である事≫
カルキ(次亜塩素酸ナトリウム)は病原菌の発生を防ぎ伝染病を予防する目的で使用されています。
夏場の渇水時期では多めに添加されます。安全の為には無くてはならない物ですが、蛇口から出る水道水のカルキ濃度が数ppm ではカルキ臭が気になります。
0.4ppm 以下の濃度では気にならない、という意味でこの項があります。
図1はカルキ濃度が1.5ppm の源水にアクアメタック、竹炭を1リッターにつき1g添加した後のカルキ濃度を追跡したグラフです。
・水道水のみでも時間の経過とともにカルキ濃度は若干ではありますが低下します。
・アクアメタックを添加した水道水のカルキ濃度は速い速度で減少します。
・竹炭を添加した場合の減少速度は相当遅くなります。

さらに重要な点は、アクアメタックを添加した水道水のカルキ濃度はゼロにならない点です。
0.1 ~ 0.2ppm のカルキが残留します。この為に菌の繁殖はありません。

図1

≪2.臭気濃度が3以下である事≫
臭気濃度とは、臭気のする水を純水(臭気が無い水)で希釈し臭気がなくなった時点での希釈倍数です。
臭気濃度3の水とは、『純水で3倍に希釈すると臭いを感じなくなる』程度の臭いです。

臭気にはカビ臭とカルキ臭がある。
カビ臭の原因物質は原水中の植物プランクトンがつくるジェオスミン、2-メチルイソボルネオールです。
カルキ臭には、塩素単独のにおいの他、塩素と水中のアンモニアなどが反応して生じるクロラミン臭があります。特にトリクロラミンは微量でも不快に感じるといわれています。
通常の浄水場でも、水源でかび臭が発生した場合などには、粉末活性炭を加えて処理を行っています。
 

アクアメタックは活性炭ですので、これらの物質を水中から吸着除去し臭気を取り除く事ができます。

図2

≪3.COD濃度が3ppm以下である事≫
COD成分は水に臭気と雑味を与えます。当然ながら水は不味くなります。
河川に流入するCOD成分の多くは、植物が朽ちて生ずるフミン質です。浄水場に於いてもフミン質除去に活性炭が使用されています。
アクアメタックはフミン質を除去します。

≪4.硬度が10~100ppmである事≫
硬度とは水に溶解しているカルシウムとマグネシウムを炭酸カルシウムに換算した量をmg/Lit の単位で表した値です。
日本の水は凡そこの範囲に入っていますが、地域によっては100ppm を超える場合もあります。
表1はアクアメタックの含有ミネラル種と含有量を示しています。
イネ科の植物である竹を原料とした活性炭であるので、カリウムとケイ素を多く含み、他の植物が主に含有するカルシウム、マグネシウムの含有量が少ないのが特徴です。
水道水1リットルにアクアメタック1gを添加した場合、含有カルシウム、マグネシウムが全て溶け出した場合の硬度上昇は10ppm です。国内の水道水の硬度は20~60ppm 程度ですので、10ppm の上昇は美味しい水の硬度範囲に影響はありません。
(アクアメタックを水に添加してもカルシウム、マグネシウムの一部しか溶け出しません。)

表1 竹活性炭の含有ミネラル
表1

≪5.ミネラル成分が30~200ppmである事≫
硬度がカルシウム、マグネシウム、を炭酸塩として水1リットル当たり含有量として表している、事と異なり、ここでのミネラル成分は元素そのものの含有量です。
炭酸塩換算していません。単純に言い換えると、カルシウムは実際の含有量に対し硬度表示だと2.5倍となり、マグネシウムでは3.5倍となります。
よってミネラル成分の30~200ppm という値は結構多い値となります。通常の水道水では10~20ppm です。
カルシウム、マグネシウム、の含有量を増やせば硬度が2倍以上の増加になります。
これら元素以外でミネラル元素を増やさなければなりません。
表1で示したように竹活性炭はカルシウム、マグネシウムの含有量が少なくカリウムが主なミネラルである為に、硬度をあまり上昇させずにミネラルを補給する事ができます。

図3

ミネラルの多くは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属と呼ばれる金属です。
これらは水に溶解するとpHを上昇させます。よってミネラルの放出はpHの上昇によって知ることができます。
図3は竹炭とアクアメタックのミネラル放出速度を比較したグラフです。竹炭からのミネラル放出は非常に少なくPHの変化はほとんどありません。
それに対してアクアメタックのミネラル放出速度は速く、3時間後には水道水がアルカリイオン水になります。
竹炭は炭素がミネラルを閉じ込めてしまい、水への溶出を阻害します。
竹活性炭は細孔が発達しているので、水が細孔を通じて内部に浸み渡る為に、ミネラルの溶出が容易になります。

3、その他

◎料理をおいしくする。(出汁が良く出る) お茶、コーヒーが美味しくなる。
昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、シイタケのグアニル酸、シジミのコハク酸、など旨み成分の多くは弱酸性物質であるため、アルカリ性の水に溶出しやすくなります。
アクアメタック処理水は弱アルカリ性となる為にうまみ成分が水に溶解し易くなります。
また嫌な臭い・味を取り除いているため、 素材本来の香り・味を活かすことができます。
図4はアクアメタック処理水、水道水、精製水、とで鰹節を95℃の湯に浸して時間経過とともに溶出するイノシン酸を分析したグラフです。
アクアメタックで処理した水では出汁の出る速さ、量が処理前の水道水と異なることが解ります。
また、精製水のようなイオン(水に溶けている電解質)の少ない水では出汁の出る量が少なくなります。
お茶の旨み成分であるテアニンや、色素(カテキンが重合したテアフラビン)が溶出しやすくなり、美味しくなります。
画1は水道水、アクアメタック処理水とで紅茶、緑茶を淹れた時の比較です。
明らかな違いが判ります。

図4
 
画1

画1 紅茶(左) 緑茶(右)での違い

スキンケアビーズ
 

スクラブ剤としてマイクロビーズが全世界で大量に用いられている。
反面、北米五大湖、大西洋、のプラスチック汚染は年々悪化を辿っている。閉鎖水域あるいは海洋の汚染物質であるマイクロビーズは単に水域に紛れ込んだ固体物質、という以外に環境ホルモンなどの有害物質キャリヤーとして食物連鎖に入り込んでいる。
これはマイクロビーズが水中を漂う間に水中に溶解している一部の有害物質を吸着し、その後に魚類や鳥類が餌と間違えて食べる事による。
欧米ではマイクロビーズの使用を法規制する動きがあり、米国では五大湖ミシガン湖に面するイリノイ州にて規制判決が出ている。ニューヨーク州、カリフォルニア州、でも同様の動きがある。
2015年12月26日オバマ米国大統領は化粧品へのマイクロビーズを禁止する議会決議にサインした。2018年にマイクロビーズ入り化粧品は米国では販売できなくなる。
スキンケアビーズはマイクロビーズのみならず既存のスクラブ剤が抱える課題を全て解決できるクラブ用球状活性炭である。


1.スクラブ剤としての球状活性炭の特徴

古い角質を取り去ることにより角質のターンオーバーを促し表皮を健康な状態に維持する、という目的で様々なスクラブ剤が利用されている。
各スクラブ剤は各々特徴を持ち化粧品メーカー各社より多くのスクラブ洗顔料が開発されてきた。
弊社は新たにスクラブ原料として球状活性炭(商品名:スキンケアビーズ)を開発した。
球状フェノール樹脂を原料とした球状活性炭であり、皮脂の成分である脂肪あるいは脂肪酸に対して優れた吸着力を発揮する。

球状活性炭(スキンケアビーズ)は以下の特徴を有している。
【1】球状である
【2】活性炭である
【3】無機炭素の純度が98%以上であり不純物が少ない
【4】粉化しない
【5】水に沈む
これらの要素が『肌にも環境にもやさしい』スクラブ剤としての機能を発現させている。

2.スキンケアビーズは肌にやさしい

【2-1 球状である事の効果】
マイクロビーズ以外のスクラブ剤として多く使用されている炭や果実種子の粉砕物、あるいは鉱物である泥や火山灰、などの微小粉砕物はいずれも角張った物質である。皮膚を擦過する事により古い角質を引き剥がす作用がある。(図1、2
この為にスクラブのし過ぎは肌を傷める事にもつながり使用頻度を制限する必要がある。
マイクロビーズはポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルポリマーなど原料種によって姿と機能が異なる。
球状の物、不定形の物、破砕物、などがある。図3のように青色球状、白色球状、不定形、と3種類が使用されている化粧料もある。
真球に近いスキンケアビーズ(球状活性炭)は肌の上をコロコロと回転する事により古い角質、遊離脂肪酸などを取り除く事が出来る。(図4
肌を擦過する事が無くダメージを与える心配が無い。 
ではどのように古い角質を取り除くのか? 次項以降にて説明する。

図1

図1 炭スクラブ剤(x200)

図2

図2 果実種子スクラブ(x200)

図3

図3 マイクロビーズ(x200)

図4

図4 スキンケアビーズ(x200)

【2-2 活性炭である事の効果】
『古い角質の構成成分である皮脂を活性炭が持つ細孔に吸着し除去する。また、遊離脂肪酸も吸着除去できる。』
皮膚上の脂肪または遊離脂肪酸の除去は洗顔料に含有されている界面活性剤による『乳化』によってなされる。
界面活性剤が持つ疎水基が疎水性の脂肪や脂肪酸を取り囲み、疎水基の反対側に位置する親水基が水に面する事により水に分散するという化学的な作用による。界面活性剤の乳化力によりこの除去能力が決定される為に界面活性剤の開発・選定に多大な努力が払われている。
界面活性剤が化学的な力により脂肪あるいは脂肪酸を除去するのに対し、活性炭は保持する細孔に脂肪酸などを物理的に吸着して除去する。
界面活性剤はその浸透力により角質層内部に侵入し角質細胞間脂質にまで影響を及ぼす可能性があるのに対し、活性炭は接触した箇所に存在している脂肪、脂肪酸のみを吸着除去する。
活性炭の吸着力は被吸着物質と活性炭の細孔壁との間で働く分子間引力(ファンデルワールス力)によるものである。
この力は双方の距離の3乗に反比例する為に被吸着物質の大きさと細孔径の関係は非常に重要になる。
一般的な活性炭は100ナノメートル以上の直径の細孔(マクロ孔と称する)と、マクロ孔から分岐された2.0~100ナノメートルの直径を持つ
細孔(メソ孔と称する)と、メソ孔から分岐している2.0ナノメートル以下の直径の細孔(ミクロ孔と称する)とで構成されている。(図6
脂肪酸は1.0ナノメートル前後の直径を持つミクロ孔に吸着される。ミクロ孔に辿り着くまでに内部拡散によりマクロ孔、メソ孔を経由しなくてはならず、吸着されるまでに時間が必要になる。
しかしスキンケアビーズ(球状活性炭)の表面には、分子量が数百以下である脂肪酸を吸着するのに適したサイズの0.8~1.2ナノメートルの直径を有するミクロ孔がいきなり形成されている。(図5
通常の活性炭と異なり、内部拡散によりミクロ孔に移動する時間は必要なく、脂肪酸を吸着する速度が一般的な活性炭に比べて圧倒的に速くなる。
スクラブ剤が皮膚上で機能する時間は短時間である為、吸着速度は重要な要素となる。

図5

図5 球状活性炭の模式図

図6

図6 一般的な活性炭の模式図

吸着速度に次いで重要な要素は吸着量である。
脂肪酸の吸着座席であるミクロ孔体積を各種多孔質の単位重量当たりで比較した結果を表1に示す。
スキンケアビーズは0.55ml/g と他の多孔質に比べ圧倒的に多い多いことが解る。
 
表1 各種多孔質物質のミクロ孔容積

多孔質名 スキンケアビーズ ナラ炭 鉱物類
ミクロ孔容積 ml/g 0.55 0.01 0.005~0.01

 
代表的な脂肪酸であるオレイン酸の吸着能力の比較を図7、8に示す。
オレイン酸1,000ppm 分散液50ccに吸着材0.8gを入れ、24時間振とう後に吸着材をろ過し、乾燥後に窒素雰囲気下で650℃に加熱し吸着されたオレイン酸を気化あるいは熱分解させ、加熱前後の重量変化により吸着材単位吸着量を算出した。(図7) 
また原液中のオレイン酸量に対する除去率を算出した。(図8) 
球状活性炭スキンケアビーズの吸着能力は非常に優れている事が判る。

図7 図8

【2-3 無機炭素が98%以上である事による効果】
(1)『脂肪あるいは脂肪酸はスキンケアビーズの球面に添着される』
無機炭素は疎水性である事から高炭素純度のスキンケアビーズの球面は疎水性となっている。
脂肪あるいは脂肪酸も疎水性である事から、疎水性同士の親和力により脂肪あるいは脂肪酸は球面に添着され肌から除去される。(図9,10
皮膚から剥がれかかった古い角質細胞から一部露出している細胞間脂質4) はスキンケアビーズの細孔に吸着、及び球面に添着され古い角質細胞をさらに剥れ易くする。細胞間脂質の露出が少ない角質細胞にはこれらの力は届かない。
つまり剥さなくてよい健全な角質は保たれる事になる。角栓も同様に取り除かれる。

図9

図9 吸添着前のスキンケアビーズ

図10

図10 吸添着後のスキンケアビーズ

(2)『溶出成分が無く、薬品に対しても安定』
スキンケアビーズの原料はフェノール樹脂であり構成元素は炭素・酸素・水素のみである。炭化工程・賦活工程を経て98%以上は炭素で構成されており、溶出成分は無い。
無機炭素は化学的に安定な物質である為に酸やアルカリあるいは溶剤に対して不溶である。
化学的に近い既存のスクラブ剤としては『炭』がある。表示名称の『炭』として一般的に使用されているのは植物等を熱分解した炭を粉砕した物であり、スキンケアビーズと同様に無機炭素である。
しかしながら植物の炭化物は炭素以外の物質を多く含んでいる。カルシウム、マグネシウム、カリウム、などのアルカリ土類金属またはアルカリ金属である。通常の樹木の場合は前述の金属以外にシリカ、鉄、リンなどが有機物として含有されている。樹種によって異なるが炭の状態で数%程の含有量となる。これらは灰分と呼ばれ溶出成分となる。5)
また植物の熱分解による炭化物(炭)は処理温度により品質が大きく異なる。6)
処理温度が低い場合は溶出成分となり得る揮発成分が残留しやすい。表2は処理温度により製品炭化物の構成元素の変遷である。処理温度が高くなるに従い炭素の比率が高くなり他の元素の比率は低くなる。
図11はナラの熱分解曲線を示している。原料を無酸素状態で加熱すると温度に応じて熱分解によるガス化が起こる。固体重量は処理温度の上昇と共に減少する。一般的な樹木のガス化による減少率は70~75%である。表2 と合わせて考えると、炭化工程では処理温度の上昇と共に炭素が濃縮されて残存し、金属以外の元素は揮発成分としてガス化する事になる。従って高温処理による製品は揮発性残存成分が少なく、炭素比率が高く、より安全な『炭』になる。

 
表2

表2 炭化温度と元素比率の変化  樹木:ナラ

図11

図11 ナラの熱分解特性

【2-4 粉化しない事による効果】
(1)『触れても黒く汚れない。白い乳化物と混合してもグレー色にしない』
スキンケアビーズは熱硬化性である球状フェノール樹脂を原料とした活性炭である事は前述した。フェノール樹脂由来の活性炭は硬度が高く、樹木を原料とした活性炭と異なり粉化しない。化粧料製造過程で粉塵を発生せず、また粉砕されずに原形を留める事が出来る。
(2)『使用感が一定であり、毛穴や汗腺を閉塞させない』
スキンケアビーズの球径は100μ以上であり、粉化しない事から常に同じサイズを保つ。
使用感を常に一定に保つ事が出来る。さらに粉化した部分あるいは小径化した部分が毛穴や汗腺に入り込み閉塞トラブルを発生することはない。

3.スキンケアビーズは環境にやさしい

【3-1活性炭である事の効果】
(1)『環境浄化材として機能できる』
スクラブ洗顔料は使用後には家庭排水と共に処理場に送られ排水処理されるケースが多い。
多くの排水処理場では活性汚泥法や凝集沈殿法などによりBOD、COD、リンなどの富栄養物質の除去が行われる。それら方法で処理が不可能な微量成分の除去には活性炭が使用されるケースが多い。
スキンケアビーズは活性炭である為に排水処理場に於いては汚染物質ではなく汚染物質を吸着除去する浄化材として貢献できる。
(2)『洗顔料そのものの環境負荷低減が期待できる』
脂肪、脂肪酸を吸着除去できることにより、乳化除去の為に添加される界面活性剤の使用量を削減できる可能性がある。
界面活性剤の使用量を減少出来れば環境負荷成分であるCOD(化学的酸素要求量)、BOD(生物学的酸素要求量)の低減に結び付く。

【3-2水に沈む事の効果】
『排水処理場からの放流水に紛れ込む事がない』
マイクロビーズは微小であり水に浮遊する性質により排水処理場のフィルターでろ過されにくく、また沈殿槽での分離が難しい。この為に既存の処理方法による捕獲が困難な場合が多い。海洋を汚染する原因である。
図12は洗顔料から取出したマイクロビーズに水を投入した画像である。完全に浮遊する。
図13はスキンケアビーズを水に投入した画像である。単体のスキンケアビーズは細孔内に空気の成分である窒素、酸素を吸着している。
水に投入すると直後に窒素や酸素が水と入れ替わり細かい気泡となって排出されるのを観察できる。細かい気泡を発生しながら大部分が水底に沈降する。ごく一部の球は細孔内部の窒素あるいは酸素と水が短時間に入れ替わらずにしばらく浮遊するが、日常で使用する際は、水の表面張力を低下させる界面活性剤等の物質が多く含まれている為、これらの沈降も速くなる。

図12

図12 マイクロビーズ

図13

図13 スキンケアビーズ

4.スキンケアビーズの安全性

パッチテストでの安全性は確認できている。
化粧品原料としてのカーボンブラックに関する規格項目もクリアしている。
食品添加物としての活性炭規格もクリアしている。